Sweet*Princess
2*“嫌い”
きょうは、となりのバカ女のたんじょうびらしい。
べつに、プレゼントやんのはあいつがおれのたんじょうびにプレゼントくれたから
おれもあげるだけで、あいつのことを好きなわけではない。
姫乃がそんなこといってたけど、ぜっっったいちがうからな!!
「ねぇ、あきー?」
おれのTシャツのすそをつかんで、うわめづかいでみつめてくる陽菜。
なぜかこいつだけは、おれのことを“あき”とよぶ。
……まぁ、けっこう気にいってんだけどな。
「なんだよ、バカ陽菜」
おれもむかしからこいつのことを“バカ陽菜”とよんでいる。
………これは、おれだけのとっけん。
まえに、ほかの男がこいつを“バカ陽菜”とよんだから
すっごく腹がたって、そいつのことをなぐりとばしてやった。
そしたら、陽菜はうれしそうに“ありがと、あき”ってなきわらいした。
まぁ、そのときはほんとにかわいくて
きづけばおれはこいつのあたまをなでてたんだけど。
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