Sweet*Princess
「なんでもなぁいッ」
あ?なんだこいつ
このときおれは、きづけなかったんだ。
陽菜のひとみが、うるんでたことに。
帰り
きょうは、陽菜のたんじょうびだからたまにはおれがいっしょにかえってやろうかなっておもって、斎藤にはむかえにこなくていいっていったのに
あいつがいない。
「ったく、どこいったんだよ……」
がっこうのなかを、さがしてもさがしてもあいつはいなくて
でも、せっかくのたんじょうびなんだからさきにかえんのもいやだ。
「はぁ……」
と、ためいきをつきながらうらにわにさしかかった、そのとき。
ドンッ
「って……だいじょうぶ?」
ぶつかったのは……えーと、たしかおなじクラスの……だれだったっけ?
「だだだだいじょうぶ!!」
うわ、かお真っ赤……
もしかして、こいつおれのことすきなのか?
まぁ、べつになんでもいいけど。
「なぁ、陽菜しらね?」
「へ?!あー……きょうしつにいないの?」
「うん」
「きょうしついくっていってたけど…」
「マジで?じゃぁ、もういっかいいってみるわ。ありがとな」
「………うん」
*