Sweet*Princess



「あ、あきとくん……!これは……」


陽菜をかこむ女子のなかには


きのう、うらにわでぶつかったやつもいた。




「陽菜をはなせ」



ひくいおれのこえに、ビビったそいつらはパッとてをはなした。



そのしゅんかん、くずれおちる陽菜のからだ。




「陽菜……!!」


「あきとくんがわるいんだから!!」


とつぜん、きのうぶつかった女がさけんだ。



「あきとくんは、みんなのにんきものなのに……陽菜ちゃん、陽菜ちゃんって……」



おれが、陽菜をきずつけてた……?



「わかった……陽菜にはもうちかづかない……」



あんしんしたような女子のかお。


陽菜のかおは、うつむいてるせいでよくみえないけど……











「なぁんて、おれがいうとおもってんのかよ、バカ女」



「え?」



「だれがすなおにきくっつんだよ」


「でも!それなら陽菜ちゃん……」


「もっといじめるってか?」



コクコクと、ひかえめにうなずく女子をおしのけて



陽菜のもとにむかった。



「おい、陽菜」


陽菜は、うつむいたままうごかない。



*
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