Sweet*Princess
2*明かされる過去
史斗と俺と美沙は、小さい頃からずっと一緒にいた。
いつも3人で一緒にいたし、泣くのも笑うのも
すべて3人一緒だった。
でも、高校生になった時。
3人の歯車が狂い出した。
「史斗、俺……美沙が好きだ」
わかってた。
史斗が美沙を好きなことも
美沙が史斗を好きなことも
でも、どうしても美沙をとられたくなかった。
だから史斗にそう言った。
史斗は親友を裏切れるようなヤツじゃない。
この頃の史斗は、よく笑って、よく冗談を言って、クラスの中心にいるようなヤツだった。
そして、誰よりも優しかった。
俺は、その史斗の優しさを利用した。
案の定、史斗は「そっか。頑張れよ」と笑った。
史斗はそれから美沙に冷たくなった。
俺に遠慮してか、自分の気持ちを封じるためか……
俺にはわからなかったけれど、史斗が美沙に冷たいのは誰の目からも明らかだった。
ある日、美沙と二人で帰っている途中
美沙が言った。
「私……史斗に何かしちゃったのかな。……嫌われるようなこと」
「んなわけねーじゃん!史斗が美沙を嫌うなんてありえねーし」
*