Sweet*Princess



「じゃぁ、どうして私にだけ冷たいのかな?史斗に嫌われたら私…寂しくって死んじゃうよ……」



その時


俺は初めて自分の罪に気付いた。


俺は、史斗だけじゃなく、美沙も傷つけている……


自分の、好きな人を……




そして、次の日から俺は変わった。



「俺さ、美沙のこと好きじゃなくなったから」


そう史斗に言うと、史斗は目を丸くした。


「え、でも……」


「あんなに好きだっつってたじゃん、って?人間の気持ちなんてな、すぐ変わんだよ。だから、美沙のとこ行けば?もう邪魔しねーから」



そう言い残して、俺は史斗の前を去った。



それから俺は史斗にも美沙にも近づかなかった。


二人は元の二人に戻り、いつも幸せそうに笑っていた。


しばらくして、二人が付き合い始めたと聞いた。


やっぱり邪魔者は俺だったんだ。


俺がいなければ二人はもっと早くに幸せになれていた。


そう思うと、なんだか自分がすごく惨めに思えた。



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