Sweet*Princess



過ちを犯した俺は、今まで以上に二人に近づかなくなった。


あの夜のことを、美沙は史斗に言ったのかな?


どっちにしても、もう二人とは関わらない。


いや、関われない。



俺は罪を犯したのだから……



そんなある日。


下駄箱に「放課後、裏庭に来てください」と書かれた手紙が入っていた。


知らない娘の名前で。


美沙以外の女に苦労していなかった俺はまた告白かと思い、可愛かったらヤって捨てようなんて最低なことを考えながら裏庭に行った。




そこにいたのは




「………美沙……」


「宏……来てくれたんだ」



どうして、美沙が……


下駄箱に入っていた手紙を見る。


知らない娘の名前。


なんで……



「私が言ったら、来てくれなかったでしょ。だから嘘を……ごめんね」


確かに。


美沙ってわかってなかったら来なかったけど。


なんで……


あんなにヒドイことをしたのに…



「私…あの日のこと、忘れようと思うの。だって……私も宏を傷つけてたから」


あの日、俺は美沙を抱きながら何度も好きだと言った。


どうしても、気持ちを抑えられなかったから……



「美沙…」



*
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