Sweet*Princess
「あの…、なんかごめん」
「いえ……」
うっひゃぁ!すっごくすっごく気まずい!
あの騒ぎの後、壱斗に荷物を持ってもらって部屋に来たんだけれど。
ほ、ほんと緊張する……
弟以外の男の子の部屋に入ったのは初めてだし。
その男の子が王子様だし。
机の上に散らばる勉強道具とか
無造作に置いてある制服。
壱斗がここで生活してるんだって思うと、何故か心臓が破裂しちゃいそうなほど早く動いてるんだ。
「姫乃……」
「ひゃい?!」
って、声裏返ってるし……!
「俺…客室行こうか?」
「え……?」
「いや、あの…緊張してるみたいだし…それに好きでもない男と一緒の部屋で、しかも一緒のベッドで寝るなんて嫌だろ?」
「あ!それは全然…嫌じゃ、ないです…」
「へ?」
あぁ、やっぱり引いてるよね?
でもなんか、嫌ではなくて…
もっと壱斗のこと知りたい。
もっと壱斗に私を知ってほしい。
そういう気持ちのほうが、大きいんだ……
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