Sweet*Princess
あの後、史斗さんは秋山さんの話を聞くことを了承してくれた。
私も一緒にいることを条件にして……
次の日の放課後
昨日と同じカフェにいた。
前には秋山さん
隣には史斗さん
史斗さんはいつも以上に静かだけど、雰囲気は柔らかい気がした。
きっと大丈夫。今の史斗さんなら
「史斗…久しぶりだな」
「あぁ」
史斗さんは下を向いたまま答えた。
まだぎこちない。
そりゃそうだよね。
壊れてしまった絆を修復するんだから
二人の間の大きな溝を、埋めようとしているんだから
しばらく沈黙が流れた後、史斗さんがおもむろに口を開いた。
「宏」
秋山さんは目を丸くした後、優しく微笑んだ。
「ん?」
「悪かった」
史斗さんが、やっと顔を上げた。
秋山さんはまた目を丸くする。
「なんでお前が謝んだよ」
「俺は…」
史斗さんの手が震えてる。
私はそっとその手を包み込んだ。
「お前の気持ちを知りながら、美沙を自分のものにした。協力するって言ったのに…」
少しずつ、史斗さんの心の闇が晴れる。
*