Sweet*Princess
「それを謝るのは俺のほうだよ。お前の気持ちを知りながら、協力しろって言った」
「でもそれは…それだけ美沙を好きだったからで…」
「お前も、それだけ美沙を好きだったから美沙と付き合ったんだろ?」
今度は史斗さんが目を見開いた。
秋山さんは優しく微笑む
「お互い様だよ、史斗。二人とも同じくらい美沙が好きだった」
「そう…みたいだな」
二人は笑い合った
少しずつ、溝が埋まっていく
目に見えてわかるようだった。
「美沙は……最後の最後まで史斗を愛してたよ」
「………」
「これ…美沙が亡くなる直前に俺に渡したんだ。『史斗が二十歳になったら渡して』って…。ちょっと遅くなっちまったけどな」
秋山さんはピンクの可愛い封筒を差し出した。
史斗さんは震える手でそれを受け取る。
「二十歳……」
史斗さんはその手紙を抱き締めた。
「幼い頃に約束してたんだ、二十歳になったら結婚しようって…」
果たされることのなかった約束
二人の、最初で最後の約束
史斗さんは震える手で封筒を開けた―………
*