Sweet*Princess
「ありがとうございましたっ」
元気になって、壱斗に向かおうとした時
ぐいって引っ張られて気付けば史斗さんの腕の中。
「ふ、史斗さ……?」
「咲華のこと、気になる?」
「………ッ!!」
耳元で囁かれた名前
忘れようとしても、忘れられない名前
「や……ッ!」
腕の中で暴れ出した私を、史斗さんは動けないようにさらに力を込めた。
「雅斗の店にいるよ」
………え?
雅斗さんの店って、
ホストクラブ……だよね?
「気になるなら行ってみれば?俺は壱斗と咲華のことはよく知らないけど、行けば何かわかるかもしれない」
「あ……」
怖いよ
でも、知りたい
真実を知ればまた傷つくかもしれない
でも……、
「泣きたくなったら、俺のとこおいで」
史斗さんの優しい声と笑顔に、少しだけ勇気が出たんだ……
*