Sweet*Princess
「雅斗さん……ッ」
激しいキスをされた後、ギュッて抱き締められた。
力強い腕。
こばめないよ……
「姫、姫……」
力強い腕とは逆に、少し弱々しい声。
私が雅斗さんをこんな風にさせてるの?
……雅斗さんは、本当に私を想ってくれてるの?
気持ちを利用するみたいで嫌。
でも、今だけは誰かにすがりつきたかったの。
その『誰か』が雅斗さんであることも、必然である気がする。
「雅斗さん……壱斗と咲華さんは、愛し合ってるの?」
雅斗さんは、今までに見たことがないような悲しい顔をした。
「ごめんなぁ……俺のせいなんだ」
雅斗さんの、せい……?
「俺が支えるから。姫を支えるから俺にしとけよ……二人はきっと、愛し合ってるから…」
その言葉を聞いた瞬間、涙がぶわって溢れ出して
雅斗さんの綺麗な顔が見えなくなった。
「雅斗、さ……ッ」
ねぇ、壱斗
二人の思い出は
二人の想いは
偽物だったの?
温かくて幸せな
泣けるほど幸せな
夢だったのかなぁ……?
*