Sweet*Princess
10sweet*運命の人
1*夢から醒める時
キィーーーバタン……
重い扉が、ゆっくりと閉まる。
「壱、斗……」
春花の手は、壱斗を引き止めるように動いたが
すぐに力を失って下がった。
和斗は泣き崩れそうな春花の肩を抱いて支える。
「私達はどうして……、あの子の、親なのに……!!」
「そうだな……。俺達はまた、……壱斗を傷つけてしまうようだな……」
あの、壱斗の無理矢理笑みを貼りつけたような顔を……
一生二人は忘れることはできないだろう
眩しい光に、目を覚ます。
ふと前を見ると……、
「おはよ、姫ちゃん」
「おはよー、ござい、ます」
そんな、優しい笑顔で見つめられたら……、
「ふっ、顔真っ赤だよ」
「やっ言わないでー……」
恥ずかしくて、布団の中に顔を埋める。
だって、昨日……
雅斗さんは戻ってきて……、私を抱き締めて言ったんだ
『姫ちゃん、好きだよ』
あんなにストレートに言われたのは初めてで……、
すごく嬉しいけど、恥ずかしい……
*