Sweet*Princess
「雅斗さん、顔真っ赤…」
「う、うるさいよ!」
「ふふ」
「何笑ってんだよ、こらー!」
「キャッ!」
雅斗さんは私の髪をくしゃくしゃする。
もう!せっかくセットしたのに!
ぷぅって膨れると、雅斗さんは私の頬を包み込んで、チュッてキスをした。
「行こっか。……ちゃんと男除けもしといたし」
「男除け……?」
「うん、まぁ、気にしないで。行こう」
「……?」
雅斗さんは、私の手をギュッて握って歩きだした。
私はこの時まったくわかっていなかったんだ。
雅斗さんが言った、『男除け』のことを………
学校に着いても、雅斗さんは私の手をなかなか離してくれなかった。
何人かの女の子が、車の中を覗き込む。
雅斗さん、カッコいいもんね……
「姫ちゃん」
「はい……?」
「迎えに来るから」
「雅斗さん……」
「だから、俺のところに帰ってきて」
わからなくなる。
そんなこと言われると。
私はまだ、壱斗が好きだよ…?
雅斗さんをきっと傷付けちゃうよ……
「……っ、行ってきます」
逃げるように、雅斗さんの車を降りた……
*