Sweet*Princess
携帯を見ると……
「………っ」
不在着信15件
メール10件
全部、壱斗から……
壱斗……!!
私は全部忘れて、走り出していた。
壱斗に謝らなきゃ…
大好きな人に、こんなに心配かけてたんだから……
「壱斗、たぶん屋上にいるよ!」
後ろから美園さんの声が聞こえた。
私は屋上に向かって走り出した。
バンッ……
屋上の扉を開ける。
綺麗な青空
でも、壱斗の姿はない。
「壱斗…?」
会いたいよ、ねぇ
会って謝りたいよ
「壱斗……!」
その時。微かに声が聞こえたんだ。
「姫乃……?」
「壱斗!」
近くにあった小さな階段を登る。
登りきった瞬間
ギュッて抱き締められた。
壱斗の匂いがする。
もう、この匂いに包まれることはないんじゃないかって、怖かったの。
「姫乃……っ」
また壱斗の腕の力が強くなる。
「ごめんなさい…」
「ん……?」
「昨日、心配かけてごめんね…?」
「んーん。無事だったなら、それでいいよ」
「壱斗……」
*