Sweet*Princess
放課後。清水さんから少し遅くなるって連絡があったから、教室で本を読みながら待つことに。
なんかもう疲れちゃったなぁー…
いや、まだ1日目なんだけどね?
ほんとに壱斗の人気はすごすぎる。
廊下を歩く度にじろじろ見られるし。
トイレ行く度にひそひそ言われるし。
結婚への道は厳しいー……
「西川姫乃さん?」
………え?
ふと本にかかった影。
視線は本に刺さったままで、背中を冷たい汗が流れた気がした。
「ちょっといいかしら?」
「なんですか?」
いじめられるのかな?
ねぇ、やだ。壱斗助けて……
「壱斗と結婚するんですってね。おめでとう」
「ごめんな……って、は?」
え?今おめでとうって言った?え?
この人壱斗のファンじゃないの?
恐る恐る顔を上げてみると、にこやかですごく綺麗な人。
「私は壱斗の友達でファンの田村美園。よろしくね?姫乃ちゃん」
「え、あ、はい……」
握手をして、なんか友達みたいになっちゃったけど怒ってないのかな?
「あの……」
「なぁに?」
「怒ってないんですか?」
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