Sweet*Princess

「何に?」


私が何を言っているか、本当にわからないような田村さん。



「いや、あの普通…ファンの人なら結婚する相手とか嫌いになるんじゃないんですか?」



「ならないわ。壱斗の幸せを、願ってるから」




そう言った田村さんは、とても綺麗だった。




「壱斗を傷付けるような、お金目当ての女は許さない。でもあなたといる時の壱斗の顔、すごく優しかったから…あなたは違うんだなって思ったの」


そう言う田村さんの雰囲気は優しくて


壱斗がとても大事なんだってことが伝わってくる。



「“壱斗のファン”とか言ってる女にいじめられそうになったら私に言いなさい。私があなたを守ってあげる」



この人なら、わかってくれるかもしれない。


大きいこの人には正直に言わなきゃと思ったんだ。




「私…、まだ壱斗を好きなのかわからないんです。初めて喋ったの昨日だし」


前から存在はもちろん知ってたけど、ファンとかではなかったし。


まさかあの人と結婚するなんて、今だに実感が湧かない。



でも………、



「でももっと知りたいんです。壱斗をもっと知りたい。」


「それで充分よ。知りたいって思うことから恋は始まる。壱斗なら、絶対幸せにしてくれるわ」


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