Sweet*Princess
「ねぇ、壱斗~?」
「どしたの?」
弟達が帰った後、部屋に戻った。
お風呂から上がったばかりの壱斗からはシャンプーの匂い。
かっこいいなぁ……
「友達がね、恋したんです」
「いいことじゃん。それで?」
「それが……、相手が壱斗もよく知ってる人なんですよね」
「兄貴のどれか?」
「いいえ……斎藤さん」
「は?斎藤?」
「はい…酔っ払いに絡まれてるのを斎藤さんに助けてもらったんですって」
「へぇ……」
壱斗はベッドに入り込む。
眠いのかな?
私も眠くなってきた……
「どうすればいいと思います?」
「タブルデートは?」
「へ?」
「友達と、斎藤と姫乃と俺!遊園地でも?」
「あ…、いい!それいい!」
「じゃぁ、そうしよ。はい、今日は寝ようね、お姫様」
「絶対楽しいだろうなぁ…おやすみなさい」
「ん。おやすみ」
すぐに眠りに入ってしまった姫乃。
すーすー、規則正しい寝息をたてている。
そんな姫乃のさらさらの髪を撫でる壱斗。
「ねぇ、姫乃。知ってた?俺が、姫乃とデートしたいだけなんだよ?」
壱斗の呟きは、夜の闇と月の光に吸い込まれたー………
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