Sweet*Princess
「美帆!あんたが遅刻なんてめずらしいねぇ!どしたの?」
「ちょっと寝坊しちゃって」
姫乃は相変わらず可愛くて、私の心は癒された。
「斎藤さんは…、今日来てた?」
「うん、来てたよぉ。相変わらず仏頂面でさ。私が“おはようございます”って言ったら、“相変わらず朝は面白い顔ですね”なんて言うの!ほんと失礼!」
姫乃の話に笑いながら、心の中では悲鳴をあげていた。
“相変わらず”
その言葉が私の胸に突き刺さったまま、抜けなくなってしまった。
笑えば笑うほど、その傷は深くなっていった。
「美帆?どうしたの?何かあった?」
「え…?」
「なんか、泣きそうな顔してる……」
どうしてこの娘はこんなに……
「ハハ!」
「え?美帆?」
「姫乃だぁいすき!」
「え?私も!……じゃなくて!」
こんなにいい娘に、心配なんかかけちゃいけない。
これは、無理して笑ってるんじゃないの。
姫乃が心から、笑わせてくれてるんだよ。
ありがとね、姫乃。
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