Sweet*Princess
「わー!すっごい観覧車!」
「ほんとだね!あれ乗りたいなぁ」
「乗ろうよ!観覧車はやっぱり最後だよね」
「うんっ」
壱斗、私うまく笑えてる?
隣の美帆は、泣きそうな顔で笑ってるよー……
「ねぇ、あれ乗ろ!」
美帆が指差したのはこの遊園地で一番高くて速いジェットコースター。
絶叫系が大好きな私はもちろん賛成。
後ろの男二人はと言うと……
「俺、ちょっと苦手かも……」
「私も、遠慮させていただきます」
な、情けない……!
「壱斗!壱斗は乗らなきゃ駄目ですよ!」
「え、あー…わかった」
壱斗は少し苦笑しながら承諾。
「私は何があっても乗りません」
はぁ、相変わらずの無表情でわがまま言ってる大の大人がいるよ……
「あ、じゃぁ私も乗らない」
「え、美帆…」
「二人で乗ってきなよ!私待ってる」
「あ、でも…」
「姫乃、行こう?遊ぶ時間少なくなっちゃうよ」
「あ、そっか……ごめんね?じゃ、行ってくる!」
「いってらっしゃい」
振り返れば二人の距離は空いたまま。
ねぇ、二人ともそんなに悲しい顔しないで……
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