Sweet*Princess


「今日、何で来た?」


「そっちこそ」



二人になって初めての会話は、とても冷たいものだった。




「壱斗様が、来いって言ったからだよ」



壱斗様の命令は絶対ー…ってわけね。



ほんとは私に会うのも嫌だったくせに。




「とりあえず座らねぇ?」


「あ、うん…」




ベンチの端と端に座る私達。



せっかく近くに行けたと思ったのに





また離れちゃったね。





「私も…、二人と一緒に行けばよかったかな」


二人の邪魔しちゃいけないと思って行かなかったけど、こっちのほうが居心地悪いよ。




「今からでも間に合うんじゃない?行けば?」


彼の声が、冷たく響いた。


「ハハ。行こっかな…行ってきますね」





そんなに私といたくないなら、どこかに

















消えてあげるー……



















「俺、ほんと苦手なんだけどな…」


「なんで?すーっごく楽しいのに」


「ハハ……そういえば。二人きりにさせちゃったな」


「あ……ッ」


二人にさせちゃまずいかな?


「戻ったほうが…」


「やめたほうがいいんじゃない?二人のほうが、話したいことも話せるだろうし」


「あ、そっか…」


「こんなこと言って。本音は姫乃と二人きりになりたいだけ。」



いたずらに笑った壱斗に、顔が焼けてるんじゃないかってほど熱くなるー…



.
< 47 / 231 >

この作品をシェア

pagetop