Sweet*Princess
「今日、何で来た?」
「そっちこそ」
二人になって初めての会話は、とても冷たいものだった。
「壱斗様が、来いって言ったからだよ」
壱斗様の命令は絶対ー…ってわけね。
ほんとは私に会うのも嫌だったくせに。
「とりあえず座らねぇ?」
「あ、うん…」
ベンチの端と端に座る私達。
せっかく近くに行けたと思ったのに
また離れちゃったね。
「私も…、二人と一緒に行けばよかったかな」
二人の邪魔しちゃいけないと思って行かなかったけど、こっちのほうが居心地悪いよ。
「今からでも間に合うんじゃない?行けば?」
彼の声が、冷たく響いた。
「ハハ。行こっかな…行ってきますね」
そんなに私といたくないなら、どこかに
消えてあげるー……
「俺、ほんと苦手なんだけどな…」
「なんで?すーっごく楽しいのに」
「ハハ……そういえば。二人きりにさせちゃったな」
「あ……ッ」
二人にさせちゃまずいかな?
「戻ったほうが…」
「やめたほうがいいんじゃない?二人のほうが、話したいことも話せるだろうし」
「あ、そっか…」
「こんなこと言って。本音は姫乃と二人きりになりたいだけ。」
いたずらに笑った壱斗に、顔が焼けてるんじゃないかってほど熱くなるー…
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