Sweet*Princess
「同情のくせに…、抱いたのも優しくするのも!全部同情なんでしょ?!私が可哀想だから。兄に犯された可哀想な女だから…!」
もう一度抱き締めようとした腕を、振り払われる。
同情なんかで
「んなわけねーじゃん…」
抱けるような気持ちなら、近付いたりしない。
守りたいって
思ったんだ、真剣に。
でも行為が終わった後幸せな気持ちで眠る俺の横で、君は
泣いていた。
震えていた。
俺は過去の傷を、思い出させてしまったんだ。
会わないほうがいいって思ったのに。
「会いたかった…」
弱くてごめんな?
捨てる勇気もなくてごめん。
「斎藤さんは、私を…?」
「好きだよ。傍にいさせて…頼むから」
そう俯いた瞬間、温もりに包まれた。
「私も……私も好き…!」
あぁ、なんでこんなに
こんなにも愛しいのだろう。
不覚にも、涙が出た。
「愛してるよ、美帆。絶対離さないから。俺が守るから」
「うん……」
美帆の不安なこと、怖いこと。
全部俺が受けとめる。
君がいつでも、俺の隣で笑っていられるように。
愛してるよ。
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