Sweet*Princess
“見つかりました”
「ほんとに?!」
“はい”
不安で不安で
ずっとベンチに座ってた。
壱斗は隣でずっと手を握ってくれていた。
その手が温かくて……、また涙が出そうになった。
「よかったぁ~……」
“はい。て、ことで。失礼します”
「はい…って、は?!戻って来ないんですか?」
“………戻る必要が?”
え、だって…今日は4人で遊びに来たんじゃ……
“とりあえず、今は戻りません。てゆーか、邪魔しないでください。今いい所なんですから”
“え、亮佑……やっはぁ…”
え、今の声って………
ボン!
て音が出るかと思うくらい、顔が赤くなった。
だって、だって電話の向こうで聞こえた美帆の声。
あれって、絶対……!
“とりあえず切りますよ?”
「え、あ、はい!どうぞ!どうぞお切りください!」
“………失礼します”
プープー
機械的な電話が切れた音。
「姫乃?どした?」
顔赤いよ?って、頬に触れる壱斗にまた顔が赤くなる。
「いや、あの、二人がえっ…」
“エッチ”って言おうとして止めた。
こんなこと、壱斗に言えるわけないしね……!
なのに、壱斗は全てを理解したのか笑って私の耳元で言った。
“エッチ…してるんだ…”
キャーーー!美帆と斎藤さんの馬鹿ーーー!
.