Sweet*Princess
3sweet*出会いと別れ

1*忘れられない人



「そんなことがあったんだ…」


学校の帰りに立ち寄ったカフェ。


遊園地での出来事を話すと、美帆は少し悲しそうに笑った。



きっとこの娘のことだから、私がいなかったから…とか思ってるんだろう。



「ごめんね?」


……やっぱり。


「いいって、そんなの。美帆のせいじゃない」



「それにしても…ムカつくわね、その女達。うちの学校?」


「たぶん…。壱斗も、知ってるみたいだったから」


「私が絞めてきてあげようか?!」


「ハハッ。いいって。その気持ちだけで充分」


「ねぇ…まさか、王子とのことはやめようとか思ってないよね?」



“王子”、か…



わかってたことだし、自分でもそう呼んでたけど



やっぱり壱斗は、住む世界が違う人なのかな?




「わかんない…壱斗は優しいし、大事にしてくれてるのもわかるんだけど。私にはもっと普通の男の子のほうが合ってるんじゃないかって、思うのも事実なんだ」



普通の男の子と一緒にいたら、誰も“つりあわない”なんて言わないでしょ?


それに、鏡見て落ち込むこともない。



あぁ、なんか私ひねくれてしまってるな。



壱斗のことになると、なんかマイナス思考になっちゃうよ。



*
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