Sweet*Princess
2*罪悪感
家に帰って、リビングの扉を開ける。
「あっれー、姫ちゃん。今日遅かったね」
雅斗さんの言葉にビクッとなって、感じた視線を辿ると壱斗が私を見ていた。
「襲われでもしてるんじゃないかって、心配してたんだ。大丈夫?」
壱斗はいつも、優しいよねー……
「大丈夫。何もないから」
視線を逸らして、部屋に向かった。
ねぇ、壱斗。
私、あなたが心配してくれてる間ずっと、他の男の子といたよ。
こんなこと言ったら、あなたは怒るかな?
今は、優しくしてほしくない。
自分がすごく、汚い人間に思えるんだ………
「なんかあったでしょ」
二人きりになった部屋で姫乃に尋ねる。
姫乃はずっと苦しそうな顔してる。
俺、なんかしたかな…
「……会ったの」
「誰に?」
「……助けてくれた人」
姫乃の小さな声に、思考が止まった。
助けてくれたって、あのバイク事故の時のことだよな?
………どういうことだ?
*