Sweet*Princess


「次の日から彼…、学校に来なくなったの。私が彼を傷付けたんだって思って…、辛くて寂しくて、忘れようとしても忘れられなかった。あの頃は辛かったな……」



「戻って、こられたんですか?お父様。」



「そうよ……一年後。20キロ痩せてね」



え………



「20キロですか?!」


「えぇ。そして、私に言ったわ。“君のタイプの男になった。だから僕と結婚を前提にお付き合いしてください”って……その時、私は一生この人についていくって決めたの」



「素敵な話ですね……」



泣きそうになった。


そう言えば、二人は今も“和斗”“春花”ってお互いに名前で呼び合っている。


結婚して何年経っても、お互いに恋をしていられるって、なんて素敵で、幸せなことなんだろう。




「壱斗の名前はね、幸せな恋をしてほしいって願いを込めて付けたの」


「そう、なんですか…」



「雅斗は、うちの頂点に立つ人間だから、カリスマ性を持った優雅な華のある人に育ってほしい。それで“雅”の字を付けた」



カリスマ性のある人……


雅斗さんにピッタリだ。



*
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