Sweet*Princess
「…顔真っ赤」
「っ、だって…」
壱斗の綺麗な顔が目の前にあって、呼吸を感じるほど近くにいる。
真っ直ぐに見つめる澄んだ瞳に吸い込まれそう……
「さっきさ、何話してたの斎藤と」
「へ…?いや、別に…」
大したことじゃ、ないしね…?
「……ごめん、俺思った以上に焼きもち焼きみたい。ちょっと話してるだけですげー嫉妬する…」
苦笑して、離そうとする手を握る。
「嬉しい。壱斗が嫉妬してくれて嬉しいー……」
本当に、好きで好きすぎてどうしようもないの。
どうしたら壱斗を独り占めできるんだろう、ってそんなことばかり考えて。
そんな私を、笑顔で優しく包み込んでくれる、
そんな人だから。
「壱斗だから、壱斗だからなんでも許せるの。なんでも嬉しいの」
「姫乃……」
「だぁいすき」
何度言っても足りない。
その気持ちを、あなたは言葉でまた
返してくれるから。
「俺も、…俺も愛してる」
斎藤さんにも、誰にも見られないように
壱斗は左手をバックミラーの方向に上げて
二人だけの空間を作ると
甘い甘い、キスをくれた……
*