この力があるかぎり
その時だった――
もう1つの人格の私が呼びかけて来たのは…
『あなたと私の人格を統合し1つになる。そうすればあなたは強大な力を得ることができる。』と…
もう1人の私は何回もそう言う。
私も最初は空耳かと思ったけれど、どうやら本当に聞こえて来るようだったので、耳を貸した。
幸い犯人の目は、大量の金を詰める銀行員にいっていたので、私は心の中のもう1人の私と話す機会を得た。
「強大な力を得ることができるってどういう事?」
『そのままの意味。あなたに超能力が手に入る。』
超能力!?
私は耳を疑った。いや、実際には耳から聞こえているのではないのだが。
『でもあなたが超能力を手に入れたいと望むなら、あなたは私の性格になる。』