この力があるかぎり
「FB(ファイヤブレード)」
私は火の剣を作り、それを構えながら一直線にヒヨリさんに向かって走っていった。
剣の先がヒヨリさんにつく寸前――――
ヒヨリさんは、テレポートし私の後ろに回った。
さすが今のヒヨリさん…恨んでいる人間がいるとここまで能力が上がるのか…
今のヒヨリさんのテレポートは、キレがあり立ち入る隙がなかった。私もこのままでは負けるかもしれない。
「HK(ハリケーン)」
ヒヨリさんが後ろでそう声を発した。
このタイミングでのHKか…FBの火があおられて制御がきかない可能性がある…結構まずいな…
それにHKともなると今のヒヨリさんなら、この格闘場の広さのものも出せるだろう。今はだいたい格闘場の半分ぐらいの大きさかな…後ろを向いていてもその風圧とだいたいの雰囲気でわかる。
やっぱりこの能力を使ってみるか…
そう思った私はクルッと半回転し、ヒヨリさんの方を向き、HKに手を向けた。
「PTF(プロパティトランスフォーム)」