この力があるかぎり



ヒヨリさんはそう言ったあと、静かに目を閉じた。


そして目を開けた時…どうやら元のヒヨリさんに戻ったようだ。


「ごめんね。私、また別の人格の私に意識と体を支配されちゃってた…でもね。今度は約束してくれたよ。もう出てこないって。ありがとう。美紀…」


よかった…でも最後に「またな。」って言ったってことはまだ出てくる可能性はあるってことだよね?ま、当分は出てこないか。


「うん。よかった。ところで…」


私はまたユナさんに顔を向けた。


「これじゃまた、能力テストはできませんね…」


私は少々苦笑いをしながらユナさんに言った。


「ああ。そのことならご心配なく。美紀さん。あなたはもう能力テストはしなくていいわ。」


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