この力があるかぎり
そう言ったルイカは、さっさとテレポートしてどこかに行ってしまった。
「…ねえねえ!私、美紀のこといっぱい知りたいなぁ!まだ夕食まで時間があるから一緒に話そ!」
ルイカがいなくなった部屋で、マホが目を輝かせながら言った。
…この子って人懐っこいのかな?
さっき出会って、挨拶を交わしたばかりの人に普通はこんなに話しかけないだろう。
それに、私は最近あまり顔に感情を出さなくなったから、怖く感じる人もいるかもしれないのに…
まあ、それは個人の性格だからどうこう言うつもりはないけど。
「うん。いいけど…」
「やったぁ!じゃあいっぱい話そ!」
そう言ったマホの顔はさっきよりも輝いていた。
「じゃあ私もこれで帰るわね。」
察してくれたのか、ユナさんがそう声をかけた。
「あ、はい。またよろしくお願いします。」
「ええ。じゃあね。」
そう言ってユナさんは部屋から出ていった。