この力があるかぎり
「あのー…ルイカ?ちょっと聞いていい?」
「…?いいわよ?」
私はまだ気になっていたことがあった。
「あの…さっき待機中とか言ってたけど…何かあったの?」
そう。待機中と言っていたし、焦っていたようだったから何かあったのか気になったのだ。
私がそう聞くと、ルイカは少し顔を曇らせ、ゆっくりと話し始めた。
「それは…美紀…あなたにも関係のあることだわ。その…この間のテロリストいたでしょ?あの時は窓を割られたけれど、建物内に侵入まではしてこなかったわ。でも最近、この本部内で時折、怪しい人物が見かけられているようなの。」
「…その怪しい人物って?」
「具体的には分からないけど…目撃者の話だと、黒いフードに奇妙な仮面を付けていたとか…」
「あー!それ私も見たー!」
私達が話していると、突然マホが声を上げた。
「えっ…マホも見たの?」
「うん!なんかすごい変な仮面を付けてたから覚えてるよ!」