この力があるかぎり



聞くと案外、分かりやすく教えてくれた。


「それで美紀さんを案内しに来ました!けど…」


その人は急に言葉を詰まらせたかと思うと、私の体全体を見回した。


「ちょっと早すぎたみたいですね…」


そう。起きたばかりの私は、着替えていなかった。つまりパジャマだったのだ。


「あ…着替えてから行くので…」


とは言ったものの、そういえば私の着替えはどこにあるのだろうか…?


「着替えならここにあるよー!」


マホが声を上げたので、そちらを見ると中ぐらいの段ボールが2つ置いてあった。


…あれ?昨日はこんなのなかったはず…


「あー!なんか手紙も置いてあるよ!」


手紙…?


なんとなく気になったので、マホの近くに行くと小さな封筒が置いてあった。


宛先は…私宛で間違いないようだ。


「開けてみればー?」


「うん。そうする。」


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