この力があるかぎり
「伊織さんとですか?」
なんだかすごく厳しそうだな…
「ああ。そうだ。新しくきた者には必ず私とペアを組んでもらう。それに…美紀の能力は特殊だからな。」
「そうですか…」
私はやっぱり特殊…か。
「よし。ではすぐに訓練を行う。ここでやるのはまずい。私に着いてきてもらいたい。」
「はい。」
どうやら違う場所で訓練をするらしい。
「では行くぞ。」
伊織さんはそう言うと同時に駆け足を始めた。
まさか…
「ここから1.5キロ先にある特別訓練場まで走るぞ。」
やっぱり…私の訓練はもう始まっているようだった。
「はい…」
そう少し小さめの声で返事をすると…
「返事はもっと大きくはっきり言うものだぞ!以後気をつけるように!」
さすがに訓練の時は新人でも甘くないようだ。
「はい!」
私はさっきよりもはっきり返事をすると、走りながら訓練室を出た。