この力があるかぎり
見学
────特別訓練場前通路
「よし。さっきから言っているように私は訓練室に戻る。美紀は自由に本部内を見学してみるといい。できるだけ早く慣れた方がいいしな。」
「分かりました。自由に見学してみます。」
本当は迷わないか結構不安だけど…
「では、また訓練する時までな。」
「はい。ありがとうございました。」
そう言ったあと伊織さんは私に軽く笑顔を見せ、素早く訓練室の方向に向かって歩き出した。
これで完全に1人取り残されたわけだけど…どこに行こう。
というか案内人みたいな人がいないと逆におかしいと思うんだけど…
とりあえず考えていても進まないので、行ったことのない、訓練室とは反対の方向に進むことにした。
今のところ1本道なので迷わないとは思う。