私は男を見る目がないらしい。
 

**

……たっぷり2日間泣き明かした次の日のこと。

泣き腫らした目をメイクでそれなりにカバーし、ほんの少しだけ残っていた気力で集中して一日の仕事を終わらせた定時後、ぼんやりと仕事の資料をバサリバサリとまとめていると。

バタン!と部屋のドアが開き、カツン!カツン!カツン!というヒールの音が部屋の中に響いた。

何だろう……と思いつつ、やっぱりぼんやりと資料をバサリバサリと動かしていると、私の頭上から声が落ちてきた。


「うわ!辛気臭っ!」

「!さ、理子女史。そ、それは言い過ぎじゃ……」

「三浦さんがあたしに助けを求めたんでしょお!?美桜の様子が何だか変だって!だから来たのに!」

「いや、そうだけど……でも」

「でももくそもないのよ!美桜っ、こっち来なさい!」

「……へっ!?」


気付いたら私は理子さんに拉致られて、屋上に来ていた。


「……あれ?」

 
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