私は男を見る目がないらしい。
*消えた理由 「みお」
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朔太郎が私の前から姿を消して、1ヶ月。
世間は年末。
ふとした拍子に朔太郎のことを思い出して涙を流すこともあったけど、その頻度も徐々に減ってきた。
それもこれも、(たぶん)理子さんのせい(“おかげ”ではない)。
あの日、私が大泣きした後、理子さんは三浦さんに言い付けて、私の仕事を増やしたんだ。
そのせいで、ここ1ヶ月、私は毎日のように残業で、家に帰ってもお風呂に入って寝るだけで、仕事以外のことを考える余裕がなかった。
そして、今日も。
「これ全部を今日中に、なんて終わりません!今日、週末ですよっ?酷いです!それに他のみんなは最近ずっと論文読んでて、暇そうじゃないですかぁぁ!仕事を振り分けてください!」
「……怖いんだよね、理子女史が。相原さんに仕事を渡せって」
「三浦さん、理子さんよりも先輩でしょう!?何で負けるんですかっ!?」
「……間違いなく……迫力、だよねぇ」
「直属の上司に言うのもあれですけど、情けないです!もうっ!」
渡された資料をバッサバッサと上下に振りながらぷりぷりと怒る私と、困った顔をしてぽりぽりと頭を掻く三浦さんの姿を、みんながくすくすと笑いながら見る。