私は男を見る目がないらしい。
*公私混同 「それはご想像にお任せしますよ」
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2月に入り、冬の寒さのピークの時期が訪れる。
私が住む場所では雪が降っても積もることはないけど、ニュースを見ていると例年にない大雪になっている地方もあるらしい。
新しい年が始まって二つの再会を果たした私だったけど、1ヶ月半が過ぎた頃、私は週に一度程度、長谷部さんと土曜日の夜に飲みに行くようになっていた。
たまにメールや電話をすることもある。
たぶん私のことを想ってくれている長谷部さんの存在が会うたびに連絡を取るたびに私の中で大きくなり始め、朔太郎の存在が少しずつ薄れていっている、……そんな気がしていた。
これでいい、これがいいと、私は長谷部さんのことだけを考えるようにした。
長谷部さんに対して感じるこの温かい気持ちは、きっと“恋”で間違いないのだと。
それとは反対に、朔太郎とはこの1ヵ月半、会社で一度も会うことはなかった。
朔太郎と再会してから暫くは、朔太郎とまた会ってしまわないかとすごく不安で分析室にこもる日々が続いていたけど、よくよく考えれば営業部の人がよく来るとは言っても、タイミングもあるし、その場にいつも私がいて対応するわけではい。
しかも、所詮部署が違ってしまえば、会ったことがない人もたくさんいるわけで、頻繁に会うことなんてないんだと気付き、無理に分析室にこもるのは止めてしまった。
きっとこのまま平穏な日々が流れていってくれる、と私は思うようになっていた。