私は男を見る目がないらしい。
……でも、高校卒業した後に普通こんなに背って伸びるものなんだろうか?
痩せたと言ってもパッと見てわからないほど、人って変わるもの?
……やっぱり朔太郎とは別人なんじゃ、という結論に達してしまいそうになる。
「何の得にもならねぇのに、嘘ついてどうすんだよ。そんなに疑うんなら、美桜のホクロがある場所、言っていこうか?」
「は?」
「えっとー、右腕のここ。少し離れて、ここも。どう?あってるだろ?」
朔太郎は自分の腕を使って、私のホクロのある場所を指差す。
……当たりだ。確かにある。
「あ、あと、右胸のわきのところにもあったな。超柔らかくて気持ち良くて、キスマーク何度も残したっけ」
「……はぁっ!?」
「あっ、そうそう!太ももの付け根のところにもあって、そこにも」
「!!!す、ストップっ!いい!もう言わなくていいからっ!」
「え。せっかく思い出してたのに。美桜のあんなところやこんなところ」
「そんな際どいところ、思い出さなくていいし!むしろ、思い出すな!!」
「くくっ、恥ずかしがり屋も健在なんだな。かわいい」
「!」
くすくすと朔太郎(仮)が笑う。