私は男を見る目がないらしい。
この性格に似合わず、キラキラしたものが昔から好きで。
とは言っても似合わないことは自覚しているから、そのことは滅多に他人には言わないし、ほとんど手元には持っていないんだけど。
持ってるアクセサリーなんて……“アレ”だけだな……。
高校の時からずっと捨てられずに、引き出しの奥底に眠っているもの。
……朔太郎にもらったピンキーリング。
小さな青い石がついていて、学生でもお小遣いで買えるくらいのものだ。
でも……いい加減、手離さなきゃいけないな……。
頭にふと浮かんでしまったものに、きゅっと胸が締め付けられる感覚がした。
でも、そんなのは長谷部さんの言葉ですぐに吹き飛ばされてしまう。
「……いや、すごく似合うと思うよ。……ウェディングドレス、とか?」
「!?」
「……なんてな」
にや、と長谷部さんが笑う。
どういう意図でそんなことを言ったのかなんてわかるはずもないけど、私の心臓を跳ねさせるには十分な言葉だった。
年齢的にも意識してしまう。
長谷部さんは二つ上だし、お互いに適齢期なんだよね……と言っても、まだ付き合ってもないけど。
……でももう、数時間後には、この人と恋人になる覚悟を決める。