私は男を見る目がないらしい。

　

「朔、たまにかわいいよね」

「何それ。嬉しくないし」

「褒めてるのに」

「……あまり嬉しくないけど、美桜がそう言うならいい」


むっとした表情を浮かべたのに、私の言葉でけろっと笑顔が浮かぶ。

そのギャップは私の胸をきゅんとさせ、顔がつい緩んでしまった。


「……何それ？いつの間にツンデレになったの」

「それはこっちの台詞だし。いつの間にか美桜、デレデレになってる」

「でっ……そんなことないし！デレデレとか気持ち悪い！」

「うん、確かに。やっぱり美桜はツンデレがいいな」

「は、んっ」


朔太郎の唇が降ってきたと思えば、話そうとしていて開いていた唇の隙間からすぐにするりと朔太郎の舌が入ってくる。

ゆるりと口内を動き回る朔太郎の熱はとろとろと私の思考を溶かしていく。

もっと欲しくて、私は腕を伸ばして朔太郎の首にしがみつくと、朔太郎は私の想いに応えてくれるようにキスをくれる。


そのまま、私は朔太郎の熱に溺れていった。