私は男を見る目がないらしい。
8.私は男を見る目がないらしい。
*ライバル出現!? 「かわいすぎるから、つい」
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「ん……」
明るい光を感じて目を覚ます。
ぼんやりと目に写る光景は見慣れないものだ。
でも、私を心地のよい気だるさが襲っていて、身体を起こしてくれない。
それに……私を包み込んでくれている熱がすごく温かくて、気持ちがいいんだ。
目覚まし時計もなってないし、もう少し寝よう……。
……私は再び、無意識の世界に引きずり込まれていく。
*
「……おー。みーおっ」
「……んんー……?」
「あ、やっと起きた。」
目を開けると、そこにはにっこりと笑った朔太郎がいた。
私のすぐそばに横たわり、私の髪の毛をすくようにして、頭を撫でてくれている。
気持ちよさを感じるとともに、何で朔太郎がここにいるんだろうと、ぼんやりとした頭でその名前を呼ぶ。
「……朔……?」
「ん。おはよ」
「むっ」
ちゅっと朔太郎の唇が私の唇に触れ、食むようにして唇が離れる。
朔太郎の顔を見ようと目を開けたのに。
「む、むむっ、むっ」
何度も何度も朔太郎の唇がぶつかってきて、待って、と朔太郎の腕を掴むけど、すぐに手を絡め取られ抵抗することを許してくれない。