私は男を見る目がないらしい。
「こいつ、俺の兄貴と結婚してんの。子供もいるし」
「……えぇっ!?」
「だから、美桜が勘違いしてたのはほんとに勘違いだからな。それに俺はこんなきゃんきゃん言う女、好みじゃねぇから」
「えっ!みおちゃん、私と朔のこと何かあると思ってたのっ!?」
「あ、う、うん……」
「ないないないないないっ!絶対ありえないから安心してっ?私旦那のことしか男として見てないし、朔なんてぜーーーったいに無理だもん!」
「……さいですか……」
そこまで言われると、納得せざるを得ないというか、なんというか……清々しいな。
「ってことで、みおちゃん、私とも仲良くしてねっ」
「……う、うん?」
素直に頷くにはまだ何か腑に落ちないような気がして、語尾を上げて疑問符をつけてしまう。
でも私が頷いたことに住岡さんは満足したようで、にっこりと笑顔を私に向けてくれた。
「二人の結婚式も楽しみにしてるからっ!みおちゃん、絶対ウエディングドレス姿似合うと思う!早く家族になりたいな~」
「……えっ!?」
結婚という言葉が飛び出してきて、急に現実味がなくなった反面、腑に落ちなかった理由がそこにあることに気付いた。