私は男を見る目がないらしい。
「……こんなに綺麗になって、胸も育ってるし、感じやすくなってるし、エロくなってるし。俺と付き合ってた頃と全然違う」
「!!ばっ、バッカじゃないのっ!?」
しみじみと言われて、私は力の抜けきった身体を必死に立たせながら、できる限りの声を出した。
こんな場所で胸が育ったとか感じやすいとかエロいとか言うな!
そもそも、胸揉んだりキスしたりするな!
「だって、今の美桜をそうさせたのは俺が知らないこの8年の間に美桜と付き合ってきた男だろ?あー、超悔しい」
「!!」
声が本当に悔しそうで、私はもう何も言えなかった。
確かに真実はそうかもしれないけど……そんなことを考えてしまう男って、すごくバカな生き物なのかもしれない。
女を捕まえるために、本能的にそういうところで競いたいものなんだろうか?
「でも」
「……?」
「もう、これから先は俺が育てるし。ぜってぇ、美桜のことは誰にも渡さねぇ」
……何だ、それ。意味わからん。
育てるって、私は朔太郎のペットでも何でもないのに。