私は男を見る目がないらしい。

　

やっと身体がいつもの状態に戻ってきて、私は朔太郎の胸をぐいと押して、身体を離す。

……朔太郎の手が私の腰を抱いているから、完全には離れることはできなかったけど。

でも、朔太郎の表情は見える。

……憎々しい顔が。


「……ちょっと待ってよ」

「あぁ？」

「何かさ、いつの間にか私と朔太郎がよりを戻すことになってない？どこがどうなってそうなったわけ？」

「いや、当然戻すだろ？」

「は？何でそうなるの？キスしたからって、その場の勢いで言わないでくれる？子供じゃないんだから」

「勢いじゃねぇって。っていうか、美桜、俺のキスにすっげぇ応えてたし。それが答えだと思ったんだけど」

「なっ、こっ、応えてなんかないから！」

「……どの口が言うんだよ。すっげぇ気持ち良さそうにしてただろ？美桜からも舌絡ませてきてたじゃん」

「……っ！」


……た、確かに、その通りで。

すごく気持ち良かったし、少しだけどつい求めてしまった……、っじゃない！！

何引きずられてるの、私っ！