私は男を見る目がないらしい。
「……他の人と出かけるなとは言わないし、全部報告しろとは言わないけど……でも、私以外の女の子と何も言わずに二人っきりで出掛けられるのはいい気はしない。一言でいいから言って欲しい。わかってくれる?」
「うん」
「もう、私が傷つくようなことはしない、って誓える?」
「……誓う。絶対に傷つけない」
「……」
「……美桜のことが本当に好きなんだ。ずっと、そばにいたい」
「……」
私は朔太郎の目をじっと見る。
それに対して、朔太郎も見つめ返してくる。
……真っ直ぐと、逸らすことなく。
この瞳は嘘をついてる目じゃない。
そう思ったから……朔太郎を信用してみようと思った。
朔太郎と過ごす、これから先のことも。
私は朔太郎の頬にそっと手を当てて、泣きそうになりながらもやっと笑顔を浮かべると、朔太郎の身体がビクッと反応して、目を丸くして私のことを見た。
その反応がすごく愛しくて。
もっと、触れたいと思った。
気持ちを伝えたいという気持ちが一気に膨らんだ。
……あの頃と同じように。
「……朔ちゃん」
「!!」
「好きだよ?だから……また恋人に、戻ろ?」
「っ、美桜……っ!」
「……っ、んっ、」
……私は臆病な心を朔太郎に預けるようにして、朔太郎のことを受け入れた。