私は男を見る目がないらしい。
「もっかい確かめてみる?」
「……」
期待するような声で朔太郎が言ってくるけど、自分にも朔太郎にもすっかり呆れてしまった私は、朔太郎の腕を自分の身体から外して、くるっと寝返りを打つ。
そして、朔太郎に背中を向けてシーツを抱くようにして丸まった。
はぁ。
今はこれ以上幻滅したくないし、とりあえず寝ちゃった方が良さそうだ……。
「え、美桜?何で離れるんだよ」
「……自分で考えれば?私、疲れちゃったしちょっと寝るから。おやすみー」
「えー?つまんねぇ!せっかく二人で気持ちよくなったのにさー。もっとイチャイチャしたい!チューしたい!ピロートーク!希望!」
そんな下品なピロートークなんていらんわ!と心の中で突っ込み、後ろからやんやと聞こえてくる声を無視して、私は目を閉じた。
やっぱり男って、バカな生き物なんだな。
いや、朔太郎だけなのか?
……どちらにしろ、そんな男のことが好きで、愛しいと思ってしまう私は、もっとバカなんだと思う。
……そう少し後悔しながらも、心はぽかぽかと温かかったのは事実。