私は男を見る目がないらしい。
*小さな勘違いからの嫉妬 「俺というものがいながら……」
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土曜日。
前日の朔太郎の言葉通り遅くまで寝させてもらえなかった私は、昼過ぎまで朔太郎と二人、ベッドの上でうにゃうにゃしていたんだけど、冷蔵庫の中に何もないことを思い出し、買い物に行くことにした。
……もちろん、朔太郎も一緒に。
こういうの夫婦みたいだなぁ……なんてニヤけそうになったのは、一生の秘密だ。
部屋の鍵を閉め、先にエレベータのところに行っている朔太郎の元に向かう。
「柚丸マーケットって言ったっけ?近くのスーパーってそんな名前だったっけ?」
「ううん。駅前のところじゃなくて、少し歩いたところにあるお店なの。私そっちのお店の方が好きでよく行くんだよね。その店にあるパン屋さんのケーキがすっごくおいしいの!朔太郎も絶対好きだと思う」
「マジ?俺、甘いもの何でも好き!」
到着したエレベータに乗り込みながら“甘いもの”にはしゃぐ朔太郎にクスッと笑ってしまう。
かわいい。
「前、デートでデザートバイキング行った時、すっごい食べてたもんね~。その量に超引いたけどね!」
「あ、覚えてる。美桜、気持ち悪そうな顔してたよな」
「あれは誰でも引くって!」
「そうか?んー」
「いや、でも、甘いもの好きならあれくらい普通だろ?」と言いながら、朔太郎が1階に到着してドアが開いたエレベータを降りていく。
私も続いて降りると。