私は男を見る目がないらしい。

　

三浦さんが彼女さんと二人でいる姿をマンションで見始めた時は私もニヤニヤと三浦さんをからかってはいたけど、まさか自分がされることになるなんて。

会社の人に恋人を見られるって何か恥ずかしい。

元カレはあまりうちには来なかったし、三浦さん始め会社の人に見られたことはなかったから。

彼女さんの話をすると真っ赤になって照れていた三浦さんの気持ちが、今なら何となくわかる気がする。


「そっかー、へぇ～。じゃあ、今度聞き取り調査でもしようかな」

「やめてくださいって！三浦さん絶対おもしろがるから嫌です」

「前のお返しだよ？くくっ。じゃあ、また」

「あっ、はーい。また！」


ヒラヒラと手を振りながら、三浦さんはエレベータに乗って行った。


「わー、サショ得しちゃったー！朔太郎、後で一緒に食べよっ？」

「……」

「？朔太郎？」


私は朔太郎に話し掛けるけど、何も反応がない。

ひょいっと顔を覗き込むと、ぷいっと逸らされる。

その表情は険しいものだ。

どうしたんだろうか？