私は男を見る目がないらしい。
 

今日は地元の居酒屋で高校3年の時の同窓会が初めて開かれていて(卒業して8年も同窓会をしないなんて珍しいと思うんだけど)、特別仲のいい人以外とは卒業して以来8年ぶりの再会を果たしていた。

同窓会には意外とたくさんの人が集まっていて、8年のブランクを感じさせないくらい、みんなはまるで学生の時の頃に戻ったかのようにガヤガヤギャーギャーとおしゃべりを繰り広げている。

8年も経っていれば、多くの人の雰囲気もがらりと変わっていた。

結婚した人、子供がいる人、もちろん独身でバリバリ働いている人、海外に住んでいる人、そして驚いたことに全く目立たなかった地味な人が社長になっていたりも。

私はどちらかと言えばあまり変わっていない部類だと思うんだけど、8年って年月は人を大きく変えるんだな、としみじみと思ってしまった。

私は目の前にあった枝豆を手に取りパクリと口に入れて、香代子に話を振る。


「で?あのイケメン旦那とはどうなの?」

「えー?それ聞いちゃう?もちのろーん♪」

「あ、待って。」

「え?なに?」


すごく幸せそうで楽しそうな香代子の声のトーンに、私は話を遮るようにしてビシッと手のひらを向けた。

香代子が「おしゃべりしよう!」と言っていたのは、旦那との惚気話をしたかっただけだったんだと気付いたから。

そんな私に香代子は何が起こったのかと、きょとんとした表情を向けた。

 
< 7 / 278 >

この作品をシェア

pagetop