私は男を見る目がないらしい。

　

朔太郎の仕事のことにまで口を出すつもりはないからあまり気にはしてなかったけど……そもそも、朔太郎って何の仕事をしてるんだろう？


「……まぁいいじゃん？なっ！」


……絶対誤魔化したよね？今の。


「……朔太郎。」

「！……な、何だよ？」


朔太郎の様子が明らかにおかしいと気付いた私は、朔太郎の腕をぐいっと引いて、顔を近付ける。

じーっと見ていると……朔太郎の目が、泳いだ。

……やっぱり変だ。

朔太郎は自信満々の時は私の目をじっと見てくる癖があるから。

目を逸らすってことは……“何か”があるってことだ。


「何か隠してるでしょ？」

「！んなこと、ねぇし！」


いらっとした様子で、私に言い放つ朔太郎。

そんな態度取られると、ますます怪しいし。


「……朔ちゃん？」

「っ！！」

「一緒に住んでるんだから、秘密ごとしたっていつかはバレるんだからね？それくらいわかってるよね？早く言った方が楽になるよ？」

「……べ、別に秘密とか、ねぇって！」

「……朔。」

「……っ、」